MMT論は如何?

本日は、現在注目を浴びている新経済財政理論MMTについて、講演をお聞きし、勉強させて頂きました。

①  自国通貨を持ち、自国通貨建ての国債しか発行していない我が国の現状、財政破綻をすることはない。(言い切っているのがポイント、他のファクターを否定している。)

つまり、予算制約に直面することは無い。

②  全ての経済は生産と需要について実物的あるいは環境的な限界がある。

政府におカネ的な制約がなくても、供給能力の不足によるインフレ率が限界になる。供給能力(=経済力)は、民間や政府の投資(新たな工場や機械など)により強化される。経済力強化は、国債発行の上限を押し上げる。(債務残高対
GDPが落ち着きますしね。)

③ 政府の赤字は、その他の経済主体(民間経済や国民など)の黒字である

この三つが骨子のようです。

私たちが普段、家計をやりくりしたり、企業経営で考える経済概念は、国の経済財政、まったく異なる仕組みで動いていることは分かりつつも、その仕組みは何なのか、難しいですよね、それを分かりやすくお話されていました。

肝は二つです。

一つ目は、通貨発行が可能であることと中央銀行を持つことで、政府会計と民間経済は「同じ」ものでなく、「対」になるもの(政府から予算で民間経済に金を流し、民間経済から税で政府に金が流れる)なので、政府の借金は、国民や民間経済の債権(つまり、定期預金のようにそのうちに国民や民会経済が自由に使えるお金)になります。これは、良く財務大臣も、「国の借金は国民の借金ではない、国民は債権者だ」と仰ってますね。

しかし、日本政府の借金が増えると、日本の信用がなくなり、インフレが起きてしまうと、私たちの生活がめちゃくちゃになってしまうと心配される方もいらっしゃると思います。

ただ、その時は、インフレが強くなってきた時に、消費税増税を行うとデフレになるとのことでした。インフレは金融政策ではなく、税と予算による財政政策で動くということでした。確かに、
5年でマネタリーベースが3倍以上になってもインフレにはなっていません。一方、消費税増税後、しばらく後にデフレになりました。

二つ目は、お金のプールが存在し得るという経済学理論の否定です。

お金のプールがある、つまり、世界や国には、大きいけど、そこに存在するお金には限りがあることで、「国の借金が家計の金融資産を超えると国債ファイナンスができなくなり破綻する」とか、「物理的有限なお金のプールから政府が国債発行でお金をたくさん借りると、残りのお金が少なくなり金利が上昇する」といった考えはここから来ています。

ただ、MMTもいつも自由に、予算を使ってよいとは言っていません。総需要(名目GDP)が本来の供給能力(潜在GDP
)を上回るデフレギャップがあるうちは、予算で民間にお金を渡せば、子育てや教育の支援、子どもの貧困を解決し、医療介護福祉など社会保障などの安心をつくるのと同時に、その分、経済が良くなり、先ほどの債務残高対
GDPが減るということでした。

既存の経済学とは対立しているMMT、その批判の多くは、経済学的な数式の裏付けがないことが大半な気がします。確かに、説明も、数学的な演繹的なものはなく、実社会での様々な事象を集めた帰納的なものが大半でした。

ただし、これまでの経済原則が通用しないことが起きていることも事実です。これまではインフレが経済の常識になってきていたので、お金のプール論なり、その他の理論が通用していたのかもしれません。デフレという全く異なる状況になった時に、前提が崩れたのかもしれません。

皆さんは、いかが考えられますか?

写真は講演の模様です。
日本の未来を考える会