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2008-05-05

「しゅぎ」

今枝が「しゅぎ」というフレーズを出すと、「主義」というイメージがあると思いますが、今回は「手技」という意味です。「手技」というのは、医者が持つ様々なテクニックのことで、例えば採血もその一つです。
今枝も医者になり1ヶ月。採血はだいたいの人にできるようになり、ちょっとマニアックですが、留置針によるルート(点滴)も結構入るようになりました!
さらにマニアックですが、ルンバール(腰に針を刺して、背骨と背骨の間の脊髄の液を採取する)も出来るようになってきました。
幼稚園の頃、折り紙を角をあわせて二つ折りに出来ず、まっすぐに紙をはさみで切ることが出来なかった今枝からすると大した成長ですね(笑)
そんな中で、頚動脈エコーなるものに挑戦しました。エコーというと心臓を見たりするイメージがあると思いますが、脳に血を送る大切な首の血管のつまり具合を見るエコーなのです。
これが意外と難しい、患者さんによって血管の位置がぜんぜん違うし、首にエコーをあてても、アゴが邪魔になるし、ちょっとエコーの位置をずらしただけで全然違う場所になっちゃうし。
そんな中一番難しいのは、背骨近くにある細い血管まで見なくちゃならないこと。これが本当に見つからない。どこにもない。
上の先生がやるとすぐ出てくるのに、今枝がやるとどこかに影を潜める。
そうして患者さんに迷惑をかけながら格闘すること、合計4時間、、、
ようやく見えた!椎骨脳底動脈(背骨近くの細い血管)だ!!
本当に嬉しかった!達成感というかなんというか、こんな小さなことが本当に嬉しかった。
そして、また別の手技を頑張ろうと思いました。
そんな時、ふと思ったのです。僕は、医療現場を知るという明確な目的で医者としてやっていますが、多くの研修医1年生はまだまだ将来よく分からないまま、研修をおこなっています。そんな中で、こういう達成感とか患者さんに感謝されたりしながら、強い意志を持ち、36時間連続労働にも耐える医師という道を歩んでいこうと思うのだろうなあと。
少し、医者という人々の気持ちが分かった新緑の日でした。
こうやって一つ一つ医療現場とそこで働く人たちの気持ちを知っていくことは、政策を考える上での基盤になると考え、明日も頑張ろうと思います。

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