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2020-05-04

PCR検査を増加させる方策の考察と党総裁への提言

5/4本日は、先日の専門家会議を踏まえて、対策本部や諮問委員会が行われます。

基本的対処方針を改訂し、国会の議院運営委員会での報告もあり、18時ごろに政府の記者会見だそうです。注目です。

色々言いたいことはありますが、まずは私たちが求めてきた事が具現化した「新しい生活様式」の一端、緊急事態宣言解除の基準(現段階では、実効再生産数や医療崩壊しない為の医療系指標、新規患者数、感染経路不明者数あたり?)を、しっかり示して頂きたいです。

【現在、問題となっているPCR検査。2万件を目指す発表されていますが、どうなっているのか?色々情報を集めて、対応を考えてみました。】

ただ、これは、私が調べた範囲です。
医療機関も、厚労省も自治体も保健所も、いっぱいいっぱいの中で仕事をしておりますので、このような機関には最小限で聞いたり、私が独自に調べたものが大半です。

全体を見通すように努力しましたが、それでも限界があることはご了解ください。

その上で、写真の記事にもある5/1の自民党総裁特別補佐の定期報告で、総裁にPCR検査を増やす方法を伝えてもらいました。

そこから、対策本部にも話が入り、現在、検討を進めています。

●超長いの冒頭にまとめです。

●4月末段階でのPCR検査の1日最大能力は約16000件以上、実際の検査数は日によって違いありますが、半分前後といったところです。

国会答弁などでは「目詰まり」という言葉が出ていますが、それを少し深く見ていきたいと思います。

【大きく分けて3つの課題があると思っています。】

① 都道府県(一部は市)の組織である保健所の担当する相談センターへの相談から、帰国者接触者外来に繋がった人が少ないこと。(外来診察からPCR検査には高い確率で繋がっている。)
② 3月から、医師判断で保険適用(自己負担分も公費負担)でできるPCR
③ 各病院内で行う検査

それでは、個別に見ていきましょう。

【①都道府県(一部は市)の組織である保健所の担当する相談センターの問題】

これには、二つの論点があると思います。

まずは、保健所相談センターがいっぱいいっぱいなので、なかなか対応できないということです。それ故、現在、地域医療体制の強化ということで、PCRセンターを立ち上げ、保健所ルートではなくPCR検査まで繋がるルートを構築しています。今は東京など一部ですが、全国に広げていきたいと思っています。

もう一つは、厚労省が受診の目安とした「37.5度4日間」というもの。

この目安は、受診側のもので、保健所側の判断材料ではないはずですが、実質判断材料のように使われているところがあるということです。

勿論、保健所も個別に対応しているとこもありますが、いっぱいいっぱいで一律対応をしているところもあるようですので、これを改めねばなりません。医師判断で必要とされた検査が保健所で止まるという事例もありますので、それはあってはならないと思いますので、ここは保健所の皆さんに方針を変えてもらう。また、目安の再検討をする。などが必要です。

【② 3月から、医師判断で保険適用(自己負担分も公費負担)でできるPCR】

この説明をする前に、少し説明したいと思います。これまでの厚労省のPCR検査に対する経緯です。

●まずは、ごく初期の頃の話、確かに、「ただ不安だ」という人にPCR検査やるようにすると不安が不安を呼んで医療機関に殺到し、医療崩壊の危険があること、また、その周辺がクラスター化することが大きなリスクになると言われていたと記憶しています。

確かに、PCRの感度は、ウイルス量にもよりますが、あまり高くなく、大量にやると偽陰性が結構な数、出ます。

更に、PCR検査の検体採取は、この頃は多くをDrがやっており、以前の私の記事でもお見せした通りです。
(写真の通り)

●一方、医療体制の強化も動き始めています。もともと少ない感染症病床の確保とともに、重症肺炎を救命できる体制整備(人工呼吸器、ECMO、医療スタッフ)が、医療体制のボトルネックということで、必死に体制強化に打ち込んでいました。

●その後、2/27厚労省から非常に重要な通知が出されます。指定感染症で本来は行政がやるPCR検査を「医師の判断でやって良い」と通知されました。

●さらに3/4には、6日から医師の判断でやることしたPCR検査を民間の検査会社でPCRを回してできるようになると、通知が出されました。更に医療機関での新型コロナのPCR検査が保険適用(自己負担分は公費負担)となりました。

このあたりが、医師の判断の元で必要なPCR検査は全部やろうとして動き始めた頃だと思います。

●その為には、PCR検査して、陽性患者が多く出たとして、その人たちを受け入れる医療体制が強化されていなければならないということです。

重症患者については、上記のように体制整備を行ってきましたが、圧倒的多数の軽症無症状者、重症になるかもしれない中等症患者をどうするか、も重要です。

●患者さんの重症化別分類(軽症無症状はホテルなどの療養施設で、中等症には協力病院やコロナ専門病院設立も含めて対応、急変時の対応)が考えられ、進めようとしています。

私たち医療系議員も、当時は本部でなく、有志のアドバイザリーボードでしたが、第1次提言の最重要点として、強く訴えていました。

●しかし、すぐには進みません。軽症が多いとはいえ、未知の新興感染症です。今まで感染症対策をやったことがない医療者も多く、それをいきなりやれと言われても、すぐに決められません。

また、地域の方々も、すぐ近くに新型コロナ患者さんが数多くいる療養施設や医療機関が、いきなり出来たら、怒りだす方々もいらっしゃいます。そうしているうちに、1か月などはすぐに経過していきます。

●しかし、このような医療体制強化も、だいぶ進んできましたから、PCR検査を増やす上での心配は減りました。

●また、もう一つポイントがあります。行政検査に準じるから、保健所と医療機関で、濃厚接触者センターに準じる医療機関だという委託契約をするという契約業務が発生しています。

民間検査会社は、この契約した医療機関のリストを見て、検査を受け入れるか判断しているようです。

●実は、この契約業務、忙しい保健所は、なかなかやれません。保健所はもともと、人員も少ない中でやっています。

昨今は規制緩和で保健所長が医師でない人がなるケースもあります。このような非常事態で医学的知識が無い中で、所長をやるのは、とても難しいでしょう。また、他にも新型コロナ対策関係の膨大な仕事があります。

●3/13に厚労省は、都道府県庁他部局から、保健所に応援を出してください、と各都道府県に伝えています。

●また、3/25厚労省は、契約しなくても、さかのぼって、検査を民間会社が受け入れられるようにしました。
つまり、保健所と医療機関の契約は後でも良いということです。

法律上、このような契約が必要ならば、後からでも良いというのは、なかなか無い例ですが、今は非常事態ですから、それも已む無しということで、良い判断だと思います。
●4/6書類作成など保健所以外の他部局の事務職でやれますと厚労省は通知しました。PCR検査の契約書類の作成などは他部局で出来ることが明確になりました。

●実際、このような対策をやった都道府県は、PCR検査を非常に良くできるようになっているようです。

●一方、契約を保健所に任せている都道府県はPCR検査が進んでいません。
都道府県は是非、このようにやって頂きたいと思います。

●更に、実は、患者さんの咽頭ぬぐい液を採取する医療スタッフの増員ということも、法律の壁を越えてやれるようにしていますので、チーム医療でやれるともっと採取が進むということもあります。

医療スタッフへの感染防御資材(PPE)の確保も、世界中で争奪戦が行われており、なかなか十分量確保できないという問題もありますが、私たち新型コロナ対策医療系議員団本部の提案や活動でも、これも徹底支援します。※唾液検査にも期待したいですが。

●また、採取したものを民間検査会社まで運送する運送業の方々の協力をもっと得られるようにすることも重要だと思っています。

【③各病院内での検査推進】
●検体採取からPCRを回すことまで一気通貫に行うと、現場の強い悩みも解消できるでしょうし、PCRを増やしやすいと思います。

●冒頭書いたようにPCR検査のキャパシティは、1日2万件目標まで4千件不足しています。

●国の機関や民間検査会社や保健所・地方衛生研究所は、PCRを回す技師さん、検査機械ともに、めいっぱいのキャパシティだと思いますが、実は、技師さんの多くは病院内にいます。

勿論、心電図とか他の検査で手いっぱいの方も多いのですが、それでも手を空けて頂ける方はいらっしゃるとのこと。(by臨床検査技師会)

●ここでLAMP法を紹介します。

LAMP法は、PCRとは違った遺伝子検査なのですが、医療関係でない皆さん向けには、PCRをもう少し短時間でできるようなもの(ただし、LAMP法の中にも濁度法とか蛍光法とかあるし、感度、特異度等は異なる)と考えて頂ければ分かりやすいと思います。

●実はこのLAMP法の検査機械は日本中の病院に500~600くらいあるのです。今までは結核の検査に主に使われていました。

●これを全て活用すると15000件くらいの検査のキャパシティが上がります。

●故に、私たちは、新型コロナ対策のアドバイザリーボードの頃ですが、3月の第1次提言から、LAMP法を推進すべしと言ってきました。

最近になって、いよいよ新型コロナウイルスにも使えるように、試薬も開発されました。

●故に、PCR法だけでなく、LAMP法も医師の判断の元で、確定診断用に活用することで、検査の目詰まり解消に役立つと思います。

●ちなみに、LAMP法も既に保険適用(自己負担分は公費負担)に既にして頂いています。

●病院内での調査は、実際、現在、厚労省は、病院内で検査機械を持っていて、活用していますか?と調査しており、「病院内でも検体採取だけでなくて、機械を回して検査できるよ」っていう分かりやすい通知も準備してくれるようになったと聞いています。

●これらの話を、5/1の自民党総裁特別補佐の定期報告で、総裁にPCR検査を増やす方法として伝えてもらいました。そこから、対策本部にも話が入り、現在、検討を進めています。

●政府は、PCR検査をわざと制限して、感染者数を少なく見せようとしているなどの疑念をお持ちの方が大勢いらっしゃることは存じ上げています。

しかし、色々調べると、政府も必死にPCR検査を増やそうとしていると感じました。しかし、地方自治、人・モノ・技術・情報のキャパシティの限界がこうなっていると思います。

●このように、色々な部分で、目詰まりを起こしていると思います。これを変える為に、全力を尽くす人たちがいます。

どうか応援頂ければと思います。

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AIそうちゃん