皆さんおはようございます。今朝は、4時起き、早朝より仕事頑張ってます。
家の近くの、河津桜が綺麗なので、写真に撮りました。
地元の八幡桜を守る会の方々が草刈りや桜を守るなど、本当に大活躍してくれてます、心から感謝します。
2回目は、コロナ肺炎そのものに対して、恐怖感も強いと思いますので、書かせて頂きます。
長いので目次を付けてみました。
●病気そのものについて。
病気の特徴、実は軽症が多い?
ウイルスというものは一般論として、そこら中にいるんです。
8割軽症、ならば、免疫を高めるには?
それでも心配な重症。見分けるには?
重症化する人への集中治療を大幅に強化
●検査について
どんな検査?
検査で陰性でも、ウイルスに感染している?!
検査をするメリットデメリット
検査体制は拡充させます!自己負担もやめさせます。
●それでは本文です!
【③病気の危険性】 2020年2月末現在の情報です。
●毎日、新型コロナウイルスを診療している大曲先生(国立国際医療研究センター長。僕が医師時代に感染症を学ぶために、講演会を企画してお呼びして、めちゃめちゃ勉強になった先生)のお言葉が下記です。
「我々が持っている新型肺炎の印象は、中国で報道されているようなおどろおどろしいイメージとは大きく乖離している。軽い感冒(つまり、風邪)から少し重いインフルエンザまでというくらいで、どんどん人が亡くなるという印象は持っていない。」
●実際WHOもかなり早い段階から、8割が軽症と発表しています。
●まず、このイメージが伝わらない。。。治った人の話も政府から発表していますが、どうしても伝わらないのが、ジレンマなんです。広報が足らないのだと思いますが、それよりSNSなどの不安情報の方が圧倒的に拡散しやすいのです。
●僕ら政治家を信用できないという気持ちはあると思いますが、どうか、医療関係者や感染症対策を現場で行っている方々、行政の言葉には耳を傾けて頂ければと思います。
●26-7度のお茶を飲むと治るという話が拡散したのも、驚愕でした。
●一般論として、ウイルスが気温上昇で動きが悪くなるというところから出た噂とは思いますが、体温約36度の人が、26-7度のお茶を飲むと熱さでウイルスが死ぬというのは、いくら混乱していても、どんな人でもオカシイと気付くと思うのですが、それよりも混乱しているということなのだと思うのですが、情報社会となって不安の連鎖が凄まじく、どのようなコミュニケーションを取ったら、良いか、本当に悩んでいます。
●話を戻しますが、全数調査をしたある数千人の母集団(統計的に意味はあると思います)で、「検査陽性の方のうち約半数が軽症にすらならない」というデータが出ました。
●重要なのは、重症化しやすいのは、基礎疾患を持つご高齢の方という認識です。実は、中国は二千名もの方が亡くなっていますが、そのほとんどは基礎疾患を持つご高齢の方や元々病弱な方です。
●インフルエンザですが、実は2018年の日本人の死亡者は3000人以上です。でも皆さんの中でインフルエンザは死と言うイメージはないと思います。インフルエンザの死亡例もやはり高齢者や病弱な人が中心で、病院や施設で生活している方が多いからなのです。
●「普通に元気な人なら免疫力で対処できて症状すら出ない人も多い、症状が出ても、風邪か少し重いインフルエンザ程度の症状で治まる病気」ということです。
●ここが最も重要なポイントです。
一般の方の意識とは違うと思いますが、実は、ウイルスはそこら中に居るのです。普通のイメージだと、「インフルエンザもノロウイルスも、罹ってる人にはウイルスが居るけど、それ以外のところは居ない」イメージかもしれませんが、それは違います。
●ある研究では、「健康な人」の便を調べたら12%の割合でノロウイルスが検出されました。これはインフルエンザでも同じです。元気な無症状の人にもウイルスが居るのです。
●結局のところ、症状が出るでない、軽症で済むか、重症に至るかは、自分の免疫力とウイルスの感染性とのせめぎ合いで決まるのです。
●自分の免疫力を落とさない事がいかに大事なことか、よくわかります。
・夜更かし
・暴飲暴食
・ストレス
規則正しい睡眠・食生活など、普通のことを心がけて頂ければと思います。(僕も仕事による夜更かし以外は、なんとか避けたいと思っています。)
●多くの人が軽症とはいえ一部の人は重症になりえます。また、ご高齢の方やすでに病気を持たれている方は重症になりやすいので、その場合は早く病院に行ってしっかり治療せねばなりません。
●その時、皆さんも疑問に思うのは、重症と軽症は、医者でもない自分には見分けがつかない、とか、基礎疾患のある高齢者はいっぱいいる、どうしろというのかと思われると思います。
●一般的に受診の目安は、37.5度以上の発熱が4日以上や、息苦しさやだるさと言われています。詳しくは下記です。
新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000597108.pdf
●しかし、それだけじゃ重症か分からないと思いますので、重症肺炎について私達医師が考えていることをお伝えします。
●実は、皆さんが思っているよりも単純です。
私のような在宅医療をやる総合的な内科医は、A-DROPという診断基準(昔の資料をひっぱりだしてきて、これ良いのか?と思ったら2017年の日本呼吸器学会のガイドラインにもありました。新型肺炎ではないと思われるかもしれませんが、肺炎の目安にはなります。)があります。
A男性なら70歳以上? 女性なら75歳以上?(年齢)
B舌が乾燥してる、又は手の甲の皮膚をつまんでも2秒以上戻らない(脱水)
C酸素飽和度が90%以下(息苦しさ)
D意識が朦朧としている?(意識)
E血圧の上の数字が90以下
A~Eで「YES」が、3個あったら重症の可能性が高い。1〜2個なら微妙。0個なら軽症の可能性が高いでしょう。
酸素飽和度は自宅では測れないでしょうから、息苦しさは参考として、それ以外の4つで1~2個当てはまれば、重症の可能性が高いということですし、そういう話をすれば、医療機関は患者さんが多ければ多いほど、重症度で患者さんの先に診るかどうかを判断しますので、重症度が比較的適切に考えられます。
(あくまで目安ですから、絶対視はしないでください。)
【④検査について】
●それともう一つ、検査について、どうしてもお伝えしなければなりません。
「なんで日本は検査をもっとしないんだ」とか、「感染件数を減らしたいための検査控えでは?」とか、「利権がらみで民間に検査させないのでは?」という悲痛な声がツイッターなどSNSで飛びかっています。
●これについてはどう考えればいいのでしょうか。
コロナウイルスの検査はPCR検査という、細胞の中の遺伝子を見つけ出す検査です。
インフルエンザのように病院で検査したら10分で結果が出るというものではなく、検体を専門の検査機関に送ったうえで遺伝子を見つけ出す作業に入るため、結果が出るまで数日かかるのが通常です。
実はこのPCR検査、「特異度は高いのですが、感度は高くないのです。」
分かりにくいと思いますので、簡単に言うと、
「陽性」という結果は信頼性が高いが、「陰性」という結果は信頼性が低い。
ということです。
クルーズ船の乗員・乗客の中で検査陰性の結果が出たのに、その後陽性になった人が何人もおられましたが(感染初期では検査陽性にならない)、これも「陰性」という結果の信頼性が低いことを示しています。
『検査結果は「陰性」でしたが、でもまだ陽性の可能性があります』
というのが本当の説明で、ということは陰性でも結局、発熱やら咳などの症状がある人は全員、自宅安静、出勤停止が妥当な判断ということになるわけですね。
「結果が同じなら検査する意味あるのかな?」というところはしっかり考えるべき課題です。
●大多数の軽症患者さんに対しては解熱剤や咳止めなどでの対症療法。
●少数の中等症〜重症以上の方は人工呼吸での呼吸管理や点滴などでの水分・栄養管理などの集中治療と、この人たちにPCRを検査をして、要請であれば、重症で命の危険がある場合は検査のうえで、副作用を度外視してでもエイズウイルスの薬なども使用されることもあるでしょう。
※ちなみに、新型肺炎であるか、他のウイルス肺炎か、長期間に渡って全国にたくさんの患者さんがいるが、ご高齢の方にとっては非常に怖い細菌性肺炎かに関わらず、重症肺炎は、集中した治療するのです。
●一方、検査をすることでのデメリットもあります。
●検査を増やせば増やすほど「偽陰性」として漏れてしまう例も増える
●検査を希望する患者さんが病院に殺到する(マグネット効果)ことで、病院自体がウイルスの増殖・拡散基地になりかねない。
●重症患者の救命という、より優先度の高いミッションにも増して、一日数万件という膨大な検査の方に医療従事者の労働力が偏ってしまいかねない。
現段階(2020年3月2日)の我々の行うべきことは「コロナウイルスによる健康被害(特に後遺症を残すような重症化や死亡例)を極力減らし、この危機を乗り切ること」です。
●その為に、入院用ベッドを先月の第一弾緊急対策で2000ベッド確保した(実は、今枝も入院ベッドを探して、多くの先輩や仲間にお願いしていました。)のに、加えて、2/29の記者会見では、5000ベッドに増やすことも表明しました。
必要な措置です。医療機関への徹底した人員、財政支援も必要不可欠です。
●そして、検査については、韓国のように「一日何万件でも検査をして徹底的に患者を洗い出す」と言う方法もあれば、
●「そもそも検査は信頼性が高くないので全員を検査対象にはせず対象を限定し、その代わり重症症例への対応を万全にする」と言う方法もあります。
●現在、日本は、重症者には積極的に検査をするようにしています。
●韓国と日本、どちらが正解か、それはその国の医療事情にもよるでしょうし、一概には言えません。
●しかし、「検査を増やせばすべてがうまくいくという単純なものではない」ということは申し上げておきたいですし、後に、しっかりと検証しなくてはなりません。
●勿論、検査体制の拡充については、今後も徹底的にやります。
●2/29の記者会見でも、話されたことは、2月前半の第1弾の緊急対策で、それまでの何倍にも検査体制を拡充して、1日4000件体制になりましたが、今回の緊急対策第2弾で、民間の力も活用して、更に大幅に増やします。
リスクがありながらも受け入れて頂いた民間検査会社の皆様には、心から感謝します。
●更に、私が先日の国会質問でしたように開発を進めている簡易検査機器の前倒し実現も動き出しました。
●緊急対策第2弾では、2、3時間を要しているウイルスを検出するための作業を15分程度に短縮できる新しい簡易検査機器の開発を進めています。この1カ月間、試薬の開発、精度向上などに取り組んできたところであり、3月中の利用開始を目指す。とのことです。
●当然ですが、PCR検査が保険適用に加えて、自己負担も政府の予算でやる、これは今の事態から見て当たり前だと思っており、実現に全力を尽くしたいと思います。
●新型のウイルスということで、皆さんにご不安が強いと思います。政府も対応できる人員も非常に限られる中で、必死にやっているのは事実です。
●これまでの関係者皆さんの努力で分かってきたこともあります。正しい情報を身につけて頂ければと思います。