活動報告・ブログACTIVITY / BLOG

【迫る物流の危機】『2024年問題』を解説!
2024-05-13

【迫る物流の危機】『2024年問題』を解説!

物流、運送業界の危機的状況として、近年注目される「2024年問題」
物流や運送の停滞は、日本に暮らす誰もが無関係ではいられない深刻な問題です。

今回は、そんな「2024年問題」について、国会議員・今枝宗一郎が簡単に、わかりやすく解説します。

この記事を読むことで、2024年問題の背景や国・民間企業の取組について理解することができます。
ぜひ一緒に学んでいきましょう!

↓こちらの動画でもわかりやすく解説しています
YouTube:2024年は物流、運送業界の危機!?【2024年問題】とは…?

「2024年問題」とは?

運送業者の長時間労働
「2024年問題」とは、「物流の2024年問題」とも称される通り、物流・運送業界において、物流の停滞が懸念されている問題です。

物流業界は現在、担い手不足カーボンニュートラルへの対応など様々な課題を抱えています。
そのような中、「働き方改革関連法」に基づき、2024年4月より、ドライバーの労働時間に年960時間の上限規制が適用されるのです。
併せて、厚生労働省がトラックドライバーの拘束時間を定めた「改善基準告示」により、ドライバーの拘束時間についても強化されます。

その結果、日本は、何も対策を講じなければ物流の停滞が懸念される、いわゆる「2024年問題」に直面しているのです。

トラックドライバーの労働時間が減少すれば、1人のトラックドライバーが1日あたりに運ぶ荷物の量が減ることになります。つまり、運送会社としては、配送運賃を上げなければ売上が減ってしまうわけです。しかし、荷主との関係もあり、運賃の値上げは簡単なことではありません。結果的に、中小企業の運送会社から売上が減少し、経営が困難になる恐れがあります。

逆に、荷主が運賃を上げると、その運賃上昇の分商品自体の価格に上乗せされるので、商品が高くなり、私たち消費者の負担が増える可能性があります。

また、トラックドライバーの方の視点からみると、労働時間が短くなることで残業代も減り、全体の給与も減少してしまいます。
給料が下がれば離職するドライバーも増え、既にドライバー不足の状況にある現状から、さらにドライバー不足に拍車がかかる恐れがあります。

2024年問題は、これらの課題により、運送会社や荷主企業が影響を受けることが想定され、結果的に大幅な物流コストの上昇が懸念されているのです。

しかし、逆に言えば、このような懸念がある中でも、働き方改革が必要な状況だったといえるでしょう。
物流・運送業界は、昼夜問わずモノを移動させる業務の特性上、もともと長時間労働が常態化しやすい業種で、全職業平均より約2割、時間にしておよそ300時間~400時間ほど労働時間が長い状況がありました。
その長時間労働の背景には、ドライバーの若手不足や高齢化、またEC市場の成長による需要の増加などが挙げられます。
このような実態を改善すべく、働き方改革関連法に基づき、トラックドライバーの年間の残業時間が制限されたのです。

トラックドライバーの長時間労働の要因のひとつに、発着荷主の積卸し場所での長時間の荷待ち時間・荷役時間があるという指摘もあります。
荷主企業と運送事業者が一体となって、待ち時間の削減や、荷役作業の効率化など、長時間労働の改善に取り組むことが重要です。

最近のスタートアップ企業で、このような荷役の業務をロボットで自動化する企業もあり、運送業者の負担を減らしていこうという動きも見られます。
他にも、長距離輸送の場合に中継先がなかなか見つからないという問題を、SaaSモデルでマッチングするスタートアップ企業もあります。

広がる2024年問題への取組

2024年問題への取組としては、長時間労働で業務量をカバーするのではなく、生産性を根本から上げていく必要があります。
そこで、国としても、荷主、事業者、一般消費者が一体となって我が国の物流を支える環境整備について、関係行政機関の緊密な連携の下、政府一体となって総合的な検討を行うため、「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」を2023年3月末に設置・開催しました。

そして、今年6月には、同会議において、①商慣行の見直し、②物流の効率化、③荷主・消費者の行動変容について、抜本的・総合的な対策を「物流革新に向けた政策パッケージ」として決定したのです。
このパッケージ内では、物流の適正化・生産性向上を図るため、荷主企業、物流事業者の双方において非効率な商慣行を見直すことや、物流GX・DX・標準化等により、新技術も活用しつつハード・ソフト両面で物流を効率化すること、そして、荷主企業や消費者の意識改革・行動変容に向けて、広報活動にとどまらず、新たな仕組みの導入を含めて取り組むことなどが掲げられています。

国だけでなく、荷主、事業者、そして皆さん一般消費者までもがこの問題を一緒に意識して行動を変えていくことが何より大切です。
特に最近では、置き配BOXを活用するご家庭も増えてきました。このように2024年問題に対して私たちができる取組をより一層拡大・普及させていきたいですね。
皆さんもぜひ当事者意識をもってこの問題を考えていきましょう!
置き配

関連リンク

YouTube:2024年は物流、運送業界の危機!?【2024年問題】とは…?

↓ぜひ関連するYouTube動画もチェックしてみてください!↓
YouTube:今さら聞けない頻出キーワード、「ドローン」をおさらいしましょう

前に戻る